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  • 加点される就職活動 〜総合編〜

    加点される就職活動 〜総合編〜

    はじめに

    社会に出るための第一歩として立ちはだかる大きな壁に就職活動があります。
    これまでの学校の勉強とは異なり、ある意味で正解のない、そして人と人との間の中で最善の答えを見つけていくという、多くの方がこれまで行ったことのない試みになると思います。

    そのため、就職活動で正解がわからない、自分とはなんなのかわからない、学歴ゲー・運ゲーではないか、ということを口々に友人が言っているのを聞きました。

    しかし、同じ学校、似たような境遇の人であっても、なぜか内定をたくさん取ることができる人がいるという不思議な体験をしたことはないでしょうか。

    先にも言いましたが、就職活動とは ”人が人を選ぶ” ので、その審査する人を納得させ、一緒に働きたいと思わせることができれば、学歴や境遇で他の人より突出する部分がなくとも選ばれることもできるということです。

    そこで今回は積極的に就職先を狙っていく就職活動について「加点される就職活動」というシリーズ記事として、ブログ記事を作成していこうと思います。

    最初に断りを入れると、僕自身は大学博士課程に在籍する者のため、就職活動を行ったことがある人ではありません。
    しかし、ESや面接対策といった情報に関しては研究生活において通ずるところが非常に多くあります。
    また、友人や後輩からの就活の相談はよく承っているという立場からも、皆が陥りそうな部分などを客観視する立場にあると思います。

    そう言った背景から本記事はいわゆる就活ガイドとは異なっていることも多くあるかもしれません。
    全部を反映する必要はありませんが、就職活動の一助になればと思います。

    なぜ “加点される” 就職活動なのか

    就職活動において、企業側はどのように選んでいると想像するでしょうか。

    企業によって様々基準があり、その項目に従って面接をしていると想像するかもしれません。

    そういった印象の場合において、潜在的に評価は減点方式でつけられていると自然と思っている人が多くいる というのが就活相談をしていて特に思ったことです。

    つまり、最初のエントリーした段階では皆が持ち点100点を持っており、「面接の受け答えが微妙だったから−1点」「学歴が低いから−5点」、最終的に点が高い人が採用 といった具合でしょうか。

    では逆に、自分が何かイベントの企画を立てたとして、応募してきた5人の中から協力者を誰か1人を任命するとなった時に、どのように選ぶでしょうか。

    この場合には、自分自身の評価基準があれど、最も重要視するのは、そのイベントを成功させるにあたってその人と相性がいいか、能力があるか、その人が悪事を働かないか、と言ったようにその人の人間性に焦点がいくでしょう。
    これは”減点”という観点がないわけではないが、どちらかというと最初のエントリーした段階では皆が0点であり、「しっかり自分の考えを持っているから+1点」「計画力があるから+5点」、最終的に点が一番高かった人が採用 と言ったように加点方式で決定するのではないでしょうか。

    この選ぶ側と選ばれる側の潜在的な選択に対する考え方の違いによって、選ばれる側は選ぶ側の需要をきちんと満たすことができないことが往々にして起こります。

    よくある例は、エントリーシートの内容を過去の企業に受かったエントリーシートを複数個パズルのように組み合わせて作る、面接でなるべく差し障りのないみんながいいそうなことをいうとかでしょうか。

    選ばれる側は企業がどういった人を欲しているのかを理解し、適切にアピールすることで、自分自身をきちんと相手に評価してもらうことができます。

    加点方式で就職活動を行うというのは最も重要なモチベーションとして、このシリーズ記事では扱っていきます。

    選ばれる人とは

    次に、選ばれる人を考えてみます。
    企業に選ばれる人とはどう言った人でしょうか。

    以下に思いつく例をいくつか挙げてみます。

    ・学歴が高い人
    ・サークルの長とかやっていた人
    ・特殊な経験がある人
    ・スポーツや研究でよく受賞された人
    ・コミュニケーション能力が高い人

    等でしょうか。

    個人的な意見として、選ばれるために

    ・その人を象徴する特徴があり、人の印象に残る
    ・一緒に働きたいと思われる

    の2要素が最も重要だと考えます。

    審査員は大量の人を審査しなければならないので、その中で印象に残ってなければ、選ぶ段階で頭に思い浮かびません。
    思い浮かんでも、一緒働きたいと思えなければ採用にはなりません。

    就活では、自己分析と企業研究をしっかりやれとよく言われます。
    それは、この二つの要素を満たすために行うことです。

    自己分析 → その人を象徴する特徴があり、人の印象に残る
    企業研究 → 一緒に働きたいと思われる

    自己分析と企業研究は何をすればいいのかわからないという人はゴールを意識することで、おのずと見る先が確定してくると思います。

    最後に

    本記事は「加点される就職活動」シリーズとして、本ブログでどんどん公開していこうと思います。

    いずれは書籍化を目指したい所存です。
    お話があればもっと内容を充実させ、体裁を整えたものを寄稿したいと考えています。

  • システム行動学 (Systems Ethology)とは一体なんなのか

    システム行動学 (Systems Ethology)とは一体なんなのか

    はじめに

    1998年にシステム生物学 (Systems Biology)が提唱されました。
    そして近年、次第にシステム生物学という概念が受け入れられてきているように感じます。

    システム生物学については、小林 徹也先生のシステム生物学って何だったんですか?という記事が非常にわかりやすくまとめてくださっています。

    間違っていることを言っていたら申し訳ないのですが、システム生物学では「生命をシステムとして理解する」というのがもっとも一言で表せることなのではないでしょうか。

    これは生物学全体、特に分子生物学や発生生物学、時間生物学など幅広い分野へ新たな視点を導入したという体感です。

    僕自身は神経行動学、ないしは行動学という学問の研究を行なっています。
    近年神経行動学の研究においても神経シミュレーションやコネクトームデータの解析、さらには動物の行動を解析するための機械学習ツールなど、動物をシステムとして捉えた計算論的な研究が広く発表されてきました。

    システム生物学が提唱された段階で、神経行動学のこういった影響を想定していたのか、現在こういった状況がシステム行動学のスコープの中に入っているのかというのは正直なところわかりません。

    ただ、こう言った流れが神経行動学の分野においても進んできているというのも事実であり、そう言った意味でシステム生物学の提唱は先見の眼があったと実感されます。

    システム行動学のはじまり

    システム生物学に現在の行動学の流れが入り込んできているのであればわざわざシステム行動学と名乗る必要はないではないかというのが一種疑問として上がってくると思います。

    いや、確かにそうなんだけど。。。と思うのですが、それでもあえてシステム行動学を提唱するに至った経緯があります。

    これは僕自身が思っていた願いが強いのですが、「行動学を研究する者たちが集まれる場が欲しい」という願いからです。

    行動学の研究は現在多様な視点で研究されてきており、神経行動学の学問の目標である、行動をどのようにして神経回路が制御しているのかという研究から、生態学の側面における行動が環境下でどのような機能を持つのか、進化生物学の側面における行動がどのように進化してきたのか、情報科学の側面における行動がどういう戦略でどう言ったシステムなのかなど、分野の垣根を超えて、行動というのもを研究してきています。

    また、神経行動学の中でもショウジョウバエやマウスなどのモデル生物を使った神経回路レベルの研究から、非モデル生物を使ったユニークな行動のメカニズムの研究まで幅広く、呼び名もNeuroethologyであったり、Behavioral neurobiologyであったりとします。

    これに拍車をかけるように、行動を調べるためのアプローチも多様化してきており、遺伝学を用いた神経活動操作から、電気生理やカルシウムイメージングによる神経活動記録、機械学習を用いた行動定量、数式による行動表現や強化学習による行動戦略の探索、より古典的に行動の詳細な観察などアプローチも垣根を超えてきています。

    そのため、自身の研究のスコープがもっとも近しい分野の学会に参加しているというのが個人の見解であり、どこかしらに、あれ?ホームの学会はどこなのだろう?という気持ちがありました。

    ただ、行動の研究はより多様化した視点で研究されてきており、特に研究手法については知りたいけど知れないと言ったようなことが起こり得るというのが現状です。
    非常に惜しい状況でありつつも、もしこれらが一堂に会する場所があれば行動学の研究により進化がお今るのではないか?と思いを馳せ、そう言った場を作ろうという意図がありました。

    これはあくまで僕自身の考えであり、一緒に協力してくださっている方々が同様のモチベーションであるとも、自分本位で成り立っているとも思いませんが、一堂に会する場が欲しいという意見は度々学会でいろんな人と話していました。

    そして、そう言った場を作ろうということで、システム行動学というものを提唱しようと画策しまし、2024年9月にSWARM2024

    Toward Understanding the Principles of Animal Behaviors: Systems Ethology
    Hayato M Yamanouchi, Yusuke Notomi, Ryoya Tanaka, Shumpei Hisamoto, Shigeto Dobata

    という論文を提出し、

    Systems Ethology: Toward Elucidating the Design Principles of Animal Behavior

    というOrganized sessionを行いました。

    SWARM2024のHPより、本OSの要旨を引用します。

    The exploration of biology plays a crucial role in elucidating the behavioral mechanisms of individual agents and their collective behavior as swarms, owing to the complex and diverse nature of animal behavior. In particular, recent remarkable advances in information processing technology have helped to elucidate their complex behavioral patterns. Furthermore, these technological innovations also enable detailed investigations into non-model species where established research tools are lacking, thereby contributing to a broader understanding of various biological phenomena. 
     Currently, methods for animal behavior analysis are highly diversified, necessitating opportunities for integrated discussions where specialists with cutting-edge knowledge can share their techniques. We therefore propose a framework called “Systems Ethology” to elucidate the design principles of animal behavior. With the overarching goal of understanding animal behavior as a system, we aim to facilitate the exchange of information regarding various approaches to elucidating the mechanisms underlying each behavior. Such cross-disciplinary interactions among researchers can assist in performing more efficient and meaningful research.
     In this session, we aim to gather biological insights from various disciplines such as ecology, ethology, and neuroscience. Additionally, proposals for diverse behavioral analysis approaches, incorporating insights from information science and engineering, are also encouraged.

    本OSではさまざまな視点で行動を研究されている研究者を呼ばさせていただき、非常に盛況なOSを企画することができました。

    現在はかねてからの願望であった、システム行動学研究会 なるものを行えないかというのを企画しています。

    システム行動学の考え方

    システム行動学とは一体なんなのか、どう言った学問として定義しているのかということについて、次に話していきたいと思います。

    行動学ではかつてニコティンバーゲンが提唱した、「ティンバーゲンの4つのなぜ」が中心となってきています。

    さまざまな言い方や考え方がありますが、ここでは、“survival value,” “ontogeny,” “evolution,” and “causation”の四つの観点とします。

    ニコティンバーゲンはこの四つの観点から行動を見る必要があると説き、現在の行動学、しいては神経行動学の重要な指針にもなっています。

    しかし、これらの観点は現在それぞれをフォーカスとした研究によって成り立っています。

    わかりやすい例だと、神経行動学では神経がどのように行動を制御しているのかをcausationの視点でフォーカスしていますし、生態学ではsurvival value、進化生物学では、evolutionを焦点に置いています。

    それぞれの疑問に答えることが重要ではありますが、これらの視点は別々に存在し、焦点の外のことに関してはブラックボックスとして扱われていました。

    つまり、行動のcausationsurvival valueを同時に焦点とし、両方のスコープを満たすような学問はこれまでないように感じます。(もちろん研究レベルで見れば現在はこれらを複合的に見る研究は多くなってきています。)

    行動を真に理解するには、“survival value,” “ontogeny,” “evolution,” and “causation”の四つの観点が必要であるのにも関わらず、なぜ統合されて来なかったかという点において、真相は誰にもわかりかねますが、一つの要因としてはお互いがお互いに理解し合うことが難しいということが挙げられると思います。

    逆に言えば、これを理解し合えるようにすればいいのでは?ということになります。
    そこで、システムという考え方を媒介にすることで、これらが解決できるのではないかと考えられます。

    つまり、システムがこれらをつなぐ、ある一種の言語のようなものになればお互いの考えを取り入れられるのではないか ということです。

    ここでは、システムを行動システム(Behaivora system)として定義しています。

    そもそも行動の考え方はたくさんあり、それ全てに適応することは難しいですが、ここではよりシンプルに、行動とは

    The internally coordinated responses (actions or inactions) of whole living organisms (individuals or groups) to internal and/or external stimuli, excluding responses that are more easily understood as developmental changes

    和訳:生物全体(個体または群れ)が内部および/または外部からの刺激に対して内部的に調整した反応(行動または不行動)であり、発達上の変化としてより容易に理解できる反応は除く。
    ~引用元 Levitis et al. (2009)~

    と定義しています。

    これをシステムに置き換えると、システムの出力が行動にあたります。
    そのため、入力と処理を担うシステム部分は行動システムとして扱います。

    行動システムには、個体を単位、神経細胞を単位、分子を単位と、各階層で見ることができます。
    この階層性の多様さがあり、行動ではこれを跨ぎつつ、複数階層で理解するというのが行動を理解するという上で必要になってくると思います。

    ただ、それだけ複雑になるということから、一つのシステムを完全に理解するというのを一つの研究で行うことは不可能になってきます。
    だからこそ、分野を問わず、さまざまなアプローチや知見を共有する場が必要であると思っています。

    あらためて「ティンバーゲンの4つのなぜ」に戻ってくると、システム行動学ではこの四つの疑問に答えるために、以下の四つの指針を挙げています。

    1) System structure: Static structure represented by nodes and edges. It includes discovering the behavior and the pathways by which the behavior is formed from inputs. It also elucidates the system’s components and how they are connected. 

    2) System dynamics: The dynamic structure is represented by nodes and edges. This perspective includes dynamics of the system (structure changes of the systems) and dynamics on the system (inner-statements transition of the nodes in the system). Dynamic system structure changes as a result of learning, development, and other parameters. 

    3) The control method: Methods for controlling the system’s states and behaviors. This method includes behavioral changes caused by intervention on the system’s nodes or edges. 

    4) The design method: Meaning and principles of the system. This method includes understanding the system’s adaptive and evolutionary significance. 

    ~引用元 Yamanouchi et al. SWARM2024, (2024)~

    これはつまり、システムのどういう面を解明していくのかという指針であり、これはシステム生物学の四つの指針を元にしています。

    システム行動学の今後というのは誰もはっきりとは確信を持っていないし、細かい部分に関してはまだ統一されていないというのが現状だと思います。

    だからこそ、今後行動学の今後を考えていく上で、システム行動学という場を作っていきたいと思っています。

    システム行動学の今後

    現状、システム行動学という新しい考え方を提案した状態であり、さらにはそれは学会のペーパーの状態です。

    いずれは論文のOpinitionなどといった形で世に公表していけたらと思っています。

    また、直近の願いとしては、元来の願いであった行動を研究する人たちが集まれる場を実現することです。

    まずは日本国内から、システム行動学研究会なるものを企画できたらと思っています。

    最後に

    本記事は作成者個人の考えであり、一意にシステム行動学というのを決定づけるものではありません。

    そのため、人によっては考え方が違うと言ったことや、間違っていることを言っているかも知れないことだけは留意していただけたらと思います。

  • 物体認識を使った新しい行動解析ツール”YORU”とは一体なんなのか

    物体認識を使った新しい行動解析ツール”YORU”とは一体なんなのか

    2024年11月にbioRxivにこれまでの行動解析ツールとは異なる手法を使ったYORUという行動解析ツールについて発表されました。
    今回はそのツールについてどのようなツールなのかを解説していきたいと思います。

    YORUのプレプリント

    YORUのドキュメント

    YORUとは

    YORUとは深層学習を使った動物の行動解析ツールです。

    YORUのサイトより引用


    これまでもDeepLabCutSLEAPといった深層学習を使ったツールは多く公開されています。
    これらのツールは深層学習と用いて動物の体の部位をトラッキング、そして姿勢推定を行うツールです。(ここではトラッキングツールと呼びます。)

    姿勢を推定することによって、動物がどのような姿勢をしているのかを明らかにし、行動解析を行います。

    これに対して、YORUは物体認識というアルゴリズムを用いて行動を認識します。
    簡潔には、身体部位のトラッキング等は行わず、動物の行動している様子から行動を直接定義します。

    人がりんごやみかんを見分けるときに、形や色といったことを情報に見分けていると思います。
    物体認識では物体を分類することに長けているため、こういった見た目によるものの見分けを行います。

    これを動物の行動解析に用いることで、動物の行動をその見た目から分類します。
    YORUのツール内では、これを行動オブジェクト(Behavior object)と呼んでいます。

    トラッキングツールでは行動は点と線で認識され、YORUでは行動をボックスで囲われるように解析されます。

    物体認識による行動定義のメリット

    物体認識による行動のメリットとしては

    ・個体数が増えてもエラーが出にくい

    ・動物の向きに影響されにくい

    ・解析速度が速い

    ・トラッキングでは捉えにくい行動(マウスがうずくまるといったような行動)を捉えられる

    といったことが考えられます。

    トラッキングツールの弱点である、複数個体の行動解析を簡単に、かつ解析コストをかなり抑えて解析することが可能です。
    さらに、身体部位の位置情報による行動定義が困難な行動も簡単に解析可能です。

    例えば、手をあける、閉じるという行動を考えてみましょう。
    トラッキングツールであればカメラで指先をトラッキングして閉じている、開いているを定義すると思いますが、手を閉じたときに指先が見えなくなると、トラッキングできず、位置情報を正確に計算できなくなります。

    しかし、物体認識であれば手がひらいた状態と閉じた状態の手の形を見ているので、一部が見えなくなっても正確に捉えることが可能です。

    個体数増加に強いという理由に関しても、トラッキングツールであれば個体数が増えると、身体部位がどの個体なのかを割り振って、正確に各個体の行動をとらえなければなりませんが、YORUであれば各個体の形状のみで解析するため、個体の識別や各個体への割り振りを行う必要がありません。

    解析速度も速いため、リアルタイム解析が可能であり、ある行動をしたときに装置制御を行うといったことも可能であり、行動実験の自動化を行うことができます。

    物体認識による行動定義のデメリット

    もちろんデメリットもあり、

    ・一連の行動は捉えることができない

    ・個体識別は行えない

    ・未知の行動を捉えることはできない

    ・見た目でわかりにくい行動は捉えられない

    ・定義した行動の詳細がわからない

    といったことがあります。
    これらのデメリットは逆にトラッキングツールの強みとしても挙げられるところであり、どちらが優れているというよりは、メリット・デメリットをお互いに補完し合っているような感じです。

    そのため、実験者は状況に応じた適切な手法を選ぶ必要があります。

    YORUは何がすごいのか

    さて、YORUの根本に使われている物体認識による行動解析のメリット・デメリットを述べましたが、YORUは一体何がすごいのでしょうか。

    全てGUI化されている

    YORUではプログラミングを行うことなく、行動解析を行うことが可能です。

    これはDeepLabCutやSLEAPなどのツールも同様であり、生物学者にとってこれらの解析を使うための一助となります。

    デザイン


    YORUのデザインはこれまでのツールと違い、かなり研究ツールっぽくはない感じがします。

    リアルタイム解析を導入している

    YORUではこれまでのツールでは珍しく、リアルタイム解析のGUIが完備されています。

    リアルタイム解析のシステムを作るのはプログラミングがある程度できればそこまで問題ではありませんが、そうでないとかなりハードルが高いです。

    ただ、YORUでは全てプログラミングなしで、リアルタイム解析、さらには外部トリガーまでを行うことが可能になっています。

    多様な実験装置に適応可能である点

    リアルタイム解析の最も高いハードルとして、自身の実験系の装置を動かすコードとこれらの解析をどのように組み合わせるのかというのがあります。

    YORUではプラグインシステムを導入しており、外部装置を制御するプログラムを選ぶことができます。

    つまり、自身のシステムにあったプラグインを選択すれば良いのです。

    また、プラグインは自作することも可能であり、自身の装置の制御プログラムをプラグインにすることで簡単にYORUのリアルタイム解析と合致させることができます。

    これは他のツールにはない、かなり使いやすいシステムとなっています。

    最後に

    YORUは発表されたてで、まだまだ使いにくい点・ドキュメントの不足が目立ちます。

    しかし、これからこれらが整備されていくことによって、どのように使われていくのか非常に楽しみです。

  • 人生を変えるキーワードは「移動」(なのかもしれない…)

    著者 長倉 顕太さんの本である「移動する人はうまくいく」という本を書店で見かけ、読んでみた。
    その所感を本ブログでは書かせていただけたらと思う。

    「移動する人はうまくいく」長倉 顕太 著

    全体の所感

    まず、この本は非常に読みやすいということである。もともと読書がそこまで得意ではなく、読むのもかなり遅いと自負している自分がかなりスラスラと読むことができたからである。

    だいたい200ページ読み切るのに2-3日はかかるし、そもそも読んでいる間に内容に興味がなくなって途中で辞めてしまうことが多々ある。
    ただ、この本はそんな僕でもトータル3時間ほどで読むことができた。
    個人的にはかなりびっくりしている。

    本の内容になるべく触れないようにするが、所感を述べる上で最低限の内容の紹介はあるため、新鮮な気持ちで読みたい人は読まないほうがいいかもしれないです。

    本書のキーワードとなっている「移動」を中心に、「人生を変えたくば、動け!!!」と言っているような本である。(あまりにも簡略化すると)

    内容は本書のまえがきにもあるが、万人に受け入れられるような思想ではないし、もちろん批判もくると思われる。
    しかし、僕は共感するし、そういった生き方もあるから合う人にはバッチリと合うのでは?と思う。

    内容には胡散臭さは全くなく、著者が本気で自信の思ったことを綴っているように思える。

    また、自己啓発本あるあるであるが、すればいいことはわかるが、それをじゃあ具体的にどうやって実現するの?という部分に関しては、あまり詳しく触れられていない ということが非常に少ない本だなと思った。

    じゃあ明日から何をしますか?というのにしっかり答えてくれるからこそ、個人的には多くの人に読んで良かったと思える本になるのではないかと思う。

    合意点と相違点

    本書は6章構成であるが、個人的な感想として、4章以外には概ね合意であり、4章だけはちょっと納得しきれない部分が多いと感じた。

    1-3章は本当にわかりやすく書かれていた。
    (ここから偉そうな文章になってしまうが、ご容赦願いたい。)

    世の中を批判的にみている点、そしてしっかりと物事に対しての視点が第1者視点でもあり、俯瞰視点でも書かれているというのがとても理解しやすい点であった。

    普段生きていると忘れがちになるようなことから、その視点は確かに外側から見たらそうだよなと納得させられるので、自身の状況を鑑みて、自分が今の人生を変えるべきなのか、何が足りていないのか等、考えさせられる内容であった。

    4章については、具体的に何をしたら良いのかが書かれているが、筆者視点だからこその内容であり、自分自身には当てはめにくいなというのが正直な感想である。

    しかし、そのまま当てはめにくいというだけであって、視点を変えれば良いし、むしろそれ以外の選択肢を自身で考えるという面においては十分であると思う。

    その後に関しては、1−3と同じ感想である。

    本書を読んだ後の自身の考え

    「移動」がテーマであるということはタイトルからもわかり、タイトルに非常に共感したからこそ本書を書店で購入したというのが背景にある。

    そして、自分自身の考えが筆者とかなり近しいという面も本書が読みやすかったものの一つであると思う。

    典型的な生き方を生きる ことへの批判ともいえると思う。
    僕自身は楽しい人生を送りたく、そして人と同じような人生を送りたくないというモットーがあることから、典型的な生き方にどうにかしてハマらないように生きたいと願っている。

    誰しもが一度は思ったことであると思うし、そのように動いたことがあるだろうけど、それをやりにくい社会の構造や文化があるのではないかと考えさせられた。

    それの善悪については最近自分は疑問視している。

    成功するには という本には端的によく、日本の文化はダメだ、海外へ行こう! ということが書かれていると思う。そして、鎮撫からの脱却 を目指そう!というような具合であろうか。

    本書では、もっと論理的かつ流石に上記のようにまでは書かれてはいない。
    ただ、結局のところ一般人から脱却することが成功への道であるように思える。

    それはそうなのであろう。
    いわゆる成功者はマイノリティなので、それになるには、マジョリティからの脱却は必要である。

    ただ、マジョリティの文化や考え方のおかげで、社会が成り立っているという事実もある。
    日本がなぜこんなにも治安がいいのか、一般教養が広く浸透しているのか。

    それは文化やシステム、考え方など日本の在り方ありきだからこそであると思う。

    だからこそ、日本は海外と比較して悪い という部分ばかり目が行きがちであるが、なぜそうなったのか、そうなったからこその利点というのもあるはずであるというのが最近の気づきである。

    本書で作者は、海外に住むことで日本の良し悪し、海外の良し悪しが見れるようになったとも言っていた。

    当たり前であるけど、忘れがちなことだなーと思う。

    おすすめ度

    本書のおすすめ度は

    ★★★★☆

    である。

    人生を変えるには、そういう考え方もあるんだ、というのを知るのがまず第一歩である。
    その上で、この本は非常にわかりやすく、そして次に行うべき行動の指針も示されていると思う。

    ただ、人生を変えたいと思っていない人にとっては必要のない情報なのかもしれない。
    そのため、万人におすすめとまでは言えないことから、星四つだなと個人的に思う。

    非常にいい本であり、個人的にはとても楽しく読ませていただいた。

  • 偏差値70超えの理系国立大学生が教える勉強術 ~ノートの取り方~

    偏差値70超えの理系国立大学生が教える勉強術 ~ノートの取り方~

    頭のいい人の勉強ノートって綺麗だとか、見やすいとか色々言われています。
    しかし、それを真似て授業でノートを綺麗に取ろうと思ってもただの板書の写しになったり、時間がかかったり、うまくいかないことが多いです。

    ノート作成で最も重要なのは、自分なりのノートの取り方を見つけ、身につけることです。
    ノート術について、僕のノートの取り方を参考にしながら、書いていきたいと思います。

    ノートの取り方のルール

    まず、ノートの取り方をいくら勉強しても、実用はできません。
    重要なのは、自分なりのノートのルールを決めることです。

    ルールの中で重要な点は以下の三つです。

    • なるべくシンプルでわかりやすいこと
    • 後で見返すタイプかその時に覚えるタイプか
    • 情報の分類方法

    なるべくシンプルでわかりやすいこと

    授業や講義などのノートやメモを取るような状況では、基本的に情報が流れていきます。
    そのような状況でもノートを取るためには、素早くノートに反映させることが重要になってきます。

    だからこそ、多種多様な色分けで綺麗に取るというよりは、情報の流れに追いつく必要があります。
    ノートを取る作業がメインではなく、情報を取り入れることがメインですから。

    なので、ルールはどれだっけというふうに考えるものではなく、直感的に色を選んだり、書き方を決めたりできるような方法でなければなりません。

    後で見返すタイプかその時に覚えるタイプか

    授業後、テスト勉強等でノートを活用すると思います。
    その際に、ノートを教科書のように使うのか、思い出す手がかりのようにして使うのかどちらのタイプによるかでノートに書く情報が変わってきます。

    教科書のように使うタイプでは、授業で出てきた情報などをなるべく多く書き込む必要があり、それだけ時間がかかります。
    しかし、勉強ではそれをメインの手がかりに勉強することができるので、後から勉強する上では非常に便利です。

    思い出す手がかりとして使うタイプでは、情報はある程度厳選するため、授業に集中することができます。
    問題は、後から勉強しようとした際に教科書など別の資料を参考にする必要が多いです。

    先生の授業スタイルや試験によっても異なると思いますが、主に自分がどちらのタイプなのかを決めておきましょう。

    授業でやったことを割と覚えていられるタイプは後者でいいと思います。
    何度もやらないと覚えられないという人は前者がいいかと思います。

    しかし、単純にノートが綺麗にとれるからとか、情報を漏らすのはなんか不安とかそういうのでは決めてはいけません。

    情報の分類方法

    ノートの中での色分けは実際には情報の分類分けになります。
    つまり、情報を分類分けすることによって、それに対応した色を決めるだけで色分けのルールを決定することができます。

    色分けを考える前に、どのような情報を自分は分類する必要があるのかを決める必要があります。
    具体的な僕の情報の分類の仕方は後述します。

    情報の分類の分け方として、重要な情報とそうでない情報。
    そして、その重要度に合わせてどれだけ分類するか。
    2段階なのか、3段階なのか、それ以上なのか。

    また、重要度の他には、見出し、先生の言ったこと、教科書に書いていないこと、補足情報などなど。

    例外が出てきた時に一旦記載する方法を決めておくと、どうしようか迷うことなくその場を乗り切り、その後ルールを洗練させていくことができます。

    これらの重要な点を踏まえた上でルールを決めていくと、自分なりの最強のノート術が完成します。

    僕のノートの取り方

    ここまで概念的な話をしてきましたが、実際に具体例として僕のノート術を上げていきたいと思います。

    まず、僕はその時に覚えるタイプなので、ノートは補足情報として考え、授業で情報を入れることに重きを置いています。
    ノートを書くのに時間をあまりかけたくないので、ルールは極端にシンプルにしています。

    情報の分類わけは、情報が重要か、重要でないかです。
    重要な情報は赤色で、そうでない情報は黒色で書きます。

    赤色で書く情報が多いので、赤色は消えるボールペン(フリクション)を使っています。

    もしかしたら重要かもなという情報であったり、書いた後で重要だとわかったことに関しては、赤ペンで下線をひきます。

    先生の言ったネタ的な情報は内容を思い出すのに重要なので、黒色で関連する情報の近くに小さく書いておきます。

    東大生のノート術といった本が出版され、綺麗にノートを取りましょうという内容が書かれていることが多いですが、それが合う人と合わない人がいます。

    僕自身はそれが合わず、
    (そもそも自分の字が綺麗じゃないので、あまりテスト勉強の時にノートを見返す癖がなく)
    かつ、多色だと迷うので、ノートはメモと割り切ることで自分なりのノート術を見つけることができました。

    たとえ綺麗にノートを取らなくても、勉強はできるようになります。

    万人にとって正解なノートの取り方というのはないので、色々試してみて、自分に合う、そして楽しいと思うノートの取り方を身につけましょう!!

  • GitHubの基礎から論文にコードを公開するまでの方法

    GitとGitHubの使い方に関する発表を行った時の資料を公開します。

    実際にGitHubを使ってどのように操作するのかから、プログラムコードを論文に載せるためにはどのような操作するのかを説明しています。

    論文データや解析プログラムの公開が現在よく求められています。
    それ以外にもGitHubを使ったプログラム管理は共同研究を行う上で重要な要素となってきています。

    [2024年1月15日更新] https://www.slideshare.net/slideshow/embed_code/key/vzfmHD9i6I15wI

    GitHubの基礎からプログラム管理、そしてプログラムコードを論文に公開するまでの手順 from Hayato Yamanouchi

    自身のサイトにも同様のものを載せています。

    山ノ内勇斗の個人サイト

  • ノートパソコンに飲み物をこぼしてしまった時の対処法

    ノートパソコンに飲み物をこぼしてしまった時の対処法

    パソコンをデスクで作業しているとついついパソコンに飲み物をこぼしてしまうことがあると思います。
    僕自身、MacBook Proに飲み物をこぼしてしまい、卒業のための資料が消えかけたことがあります。
    そこで、パソコンが水没してしまった時の対処法を紹介したいと思います。

    飲み物をこぼしてしまった時の対応

    まず、飲み物をこぼしてしまった時の対応ですが、下手にパソコンに電源を入れたりするのは避けましょう。

    まず先に電源をすぐに切りこぼした側にパソコンを立て、これ以上飲み物が中や広がっていないところに染み込まないようにしましょう。

    写真

    一旦パソコンの表面が乾いたことを確認したら(数時間から一日後)、電源を入れてみて、パソコンの状態を確認しましょう。

    対応のその後

    状態にもよりますが、いくつか対応が考えられます。

    パソコン購入店やメーカーの補償

    パソコンメーカーの保証の中に、動産保証があり、それに適応するかどうかをみましょう。

    この保証が使えるパターンがもっとも安く復旧する可能性があります。

    メーカー保証の場合は保証対象外になっている可能性が高いです。
    ただ、修理を受け付けていることも多いので修理を依頼するのもいいと思います。

    パソコン修理屋

    パソコン修理屋では、水没したパソコンの修理を担当してくれているところが多いです。

    MacBookなども対応してくれることもあるので、積極的に検討しましょう。

    また、パソコンの内部状態の確認等も行うことができるので、そこまで飲み物をたくさんこぼしたわけじゃないけど、不安だから確認して欲しいという場合でも、点検を行ってくれます。

    修理となった場合にも、幅広く修理を対応してくれるので、復旧する可能性が非常に高いです。

    放置するとなぜ良くないのか

    飲み物をこぼしてしまっても、一日経つと動くことがよくあります。

    ただ、その場合でも放置をするのはあまりお勧めしません。
    基盤に水分がついてしまっていた場合、不意にショートしてしまったり、基盤を錆びさせてしまったりすることがあります。

    水没して、しばらくは使えていたけど、急に動かなくなるとかはよく聞くため、なるべく早くパソコン修理を行いましょう。

    そうすることで、洗浄だけで済んだり、費用が抑えられたりします。

    水没した時のためにやっておけること

    水没した時に、データを復旧することは難しい場合が多々あります。

    そう言った場合のために、パソコンのバックアップは定期的にとりましょう。

    大体、パソコンの故障が起こるのはパソコンが必須であったり、卒論などの切羽詰まった時が多いです。

    そんな時にデータを取り出せないとなると、かなり大変なことになります。
    僕も実際そう言った状態でした。。。。

  • SLEAPのインストール方法[2024年2月更新]

    SLEAPのインストール方法[2024年2月更新]

    SLEAPという機械学習を用いた動物の身体部位のトラッキングツールのインストール方法について書いていきたいと思います。

    DeepLabCutがトラッキングツールとして最もメジャーであり僕自身も過去にインストール方法について書いたり、他の人が多くの記事を残してくれています。

    しかし、SLEAPについては日本語での記事は少ないのが現状です。
    SLEAPはDeepLabCutよりも優れている点はたくさんあり、選択肢の一つとしてできるようにするために今回インストール方法を書こうと決意しました。

    SLEAPはインストール方法から使い方まで動画付きで非常にわかりやすくまとまっているので、英語がわかる方なら簡単に使うことができると思います。

    SLEAPの論文についてはこちら

    SLEAPの公式サイトはこちら

    SLEAPのGitHubはこちら

    はじめに

    まず初めに、SLEAP(公式)のインストール方法に書いてある、

    mamba create -y -n sleap -c conda-forge -c nvidia -c sleap -c anaconda sleap=1.3.3

    で一発で環境構築からパッケージのインストール、その他の諸々を行うという方法は、筆者はいくつかのパソコンで試したが、どれも環境構築の段階でずっと処理中になってしまい、うまくいかなかった。

    よって、今回は公式が提案する別の方法でインストールする方法を紹介する。

    インストール方法

    基本的にはSLEAP公式のサイトのインストール方法にのっとって行なっていきます。

    動作環境

    ・Windows 11 pro
    ・NVIDIA 3080で動作確認
    ・SLEAP 1.3.3
    ・Python 3.7.12

    ファイルのダウンロード

    まず初めに、SLEAPのGitHubからファイルを自分のパソコンにダウンロードします。

    Gitで行う場合には以下のコードを行います。

    git clone https://github.com/talmolab/sleap

    gitコマンドが使えない場合には、gitをインストールする、もしくはGitHubから直接ファイルをダウンロードします。

    GPUのドライバーのインストール

    NVIDIAのドライバーをインストールします。
    (もともとインストールされている場合はスキップします。)

    Anacondaのインストール

    次に、AnacondaのサイトからWindows 10 64bit版をダウンロード、インストールします。
    AnacondaのサイトのFree Downloadを押し、サイトの下の方に行くと下のような画面になるので、
    一番左のWindowsのインストーラーを入れましょう。

    Anacondaがインストールできると、windowsのアプリ一覧の中に、”Anaconda Prompt”が入っていると思います。
    それを使って、以下のコードを実行し、仮想環境の構築やインストール、さらにはSLEAPの起動を行ってきます。

    仮想環境の構築とインストール

    その後、以下のコードを実行し、仮想環境の構築、そしてSLEAPのインストールします。
    仮想環境名は”sleap”になります。

    cd sleap
    conda env create -f environment.yml -n sleap

    ちなみに、GPUの入っているパソコンでは上記のコードで行うことができますが、
    もし入っていないパソコンでは、以下のコードで行うことができます。

    cd sleap
    conda env create -f environment_no_cuda.yml -n sleap

    これでインストールは完了です。

    インストールできたかの確認

    仮想環境のアクティベーションを行い、sleap-labelでSLEAPを起動します。

    conda activate sleap
    sleap-label

    仮想環境のアクティベーション(codna activate sleapのコマンド部分です。)はAnaconda Promptを閉じた際には毎度行う必要があります。

    仮想環境のアクティベーションで(base)から、(sleap)になると思います。

    起動できたら問題なくインストールができました。

    論文に載せる際のバージョンなどの確認

    バージョンの確認はsleapの仮想環境をアクティベートした後で、以下のコマンドを実行します。

    python -c "import sleap; sleap.versions()"

    すると、

    SLEAP: 1.3.3
    TensorFlow: 2.7.0
    Numpy: 1.21.5
    Python: 3.7.12
    OS: Windows-10-10.0.22621-SP0

    と、SLEAPのバージョン情報などが出力されます。

    また、SLEAPがGPUを利用できているかについては、

    python -c "import sleap; sleap.system_summary()"

    で確認できます。
    利用できているときは以下のような出力になります。

    GPUs: 1/1 available
      Device: /physical_device:GPU:0
             Available: True
           Initialized: False
         Memory growth: None

    次回以降はSLEAPの具体的な使い方について紹介できたらなと思います。

    おまけ

    パソコンどれを使えばいいのかわからない方へ、パソコン購入相談をココナラでやることにしました!

    あなたの要望に合わせてパソコンを選び、提案します パソコン選びに困っている方々へ!様々な目的に対応できます!

    パソコンを選んだり、アドバイスすることが多く多くの友人からパソコンの相談やったら儲かるのにと言われました。
    それに感化されて一旦やってみようと思いました!

    パソコンの利用目的に合わせて、そしてパソコンの予算に合わせて購入をご提案します。
    特に機械学習に用いるパソコンを多く選び、使ってきています。

    そして、希望があればパソコンを今後買う時にどこに注目すると良いかもアドバイスしていきたいと思います。

    今まで選んだことあるパソコンとして、研究室の解析用パソコン、実用パソコン、ゲーム配信用パソコン、大学の新入生用のパソコン、建築学科用のCADが使えるパソコン、とりあえずのパソコンなど。

    MacとWindowsの両方使っているので、どちらのお話、ご提案もできます!

    ぜひ利用してみてください

  • ショウジョウバエの研究ツール・データベースまとめ

    ショウジョウバエ(Drosophila)の研究をするにあたっての、研究ツールのまとめを備忘録的に残しておきます。
    書き漏れ、追加して欲しいツールなどありましたら、サイトのコメントかこちら(haya.m.yamano.neuro@gmail.com)までご連絡お願いいたします。

    現在制作段階なので、徐々に情報が増えていくと思います。

    更新日: 2023/12/1

    データベース

    FlyBase

    URL: https://flybase.org

    ショウジョウバエの総合的なデータベース。遺伝子の配列、発現情報をはじめ、ショウジョウバエの研究論文や研究コミュニティなどの情報を入手することができる。

    FlyWire

    URL: https://flywire.ai

    NeuronBridge

    URL: https://neuronbridge.janelia.org

    FlyLight

    URL: https://www.janelia.org/project-team/flylight

    FlyCircuit

    URL: https://www.flycircuit.tw

    neuPrint

    URL: https://neuprint.janelia.org

    SCope

    URL: https://scope.aertslab.org

    Fly Cell Atlas

    URL: https://flycellatlas.org

    Paper:

    ストックセンター (Stock Center)

    Bloomington Drosophila Stock Center

    URL: https://bdsc.indiana.edu

     アメリカのBloomingtonにあるIndiana Universityのショウジョウバエストックセンターです。
    遺伝型による検索だけでなく、Stock No.(BLから始まる番号)などでも検索することができます。

    GAL4系統やUAS系統、RNAi系統など多種多様な系統がストックされています。

    Vienna Drosophila Resource Center

    URL: https://shop.vbc.ac.at/vdrc_store/

     オーストリアの Institute of Molecular Biotechnology (IMBA) にあるショウジョウバエストックセンターです。RNAi系統が特に多くストックされています。

    KYOTO Drosophila Stock Center

    URL: https://kyotofly.kit.jp/cgi-bin/stocks/index.cgi

     日本の京都の京都工芸繊維大学にあるストックセンターです。日本にある中で一番大きいショウジョウバエのストックセンターであり、サイトからStockリストがダウンロードできたり、Lineごとにまとまって検索したりすることができる。

    KYORIN-Fly : Drosophila species stock center

    URL: https://shigen.nig.ac.jp/fly/kyorin/

     日本の杏林大学にあるショウジョウバエのストックセンターである。多様な種のショウジョウバエがおり、キイロショウジョウバエの近縁種の変異体などもこのストックセンターから入手することができる。

    行動解析ツール

    DeepLabCut

    URL: http://www.mackenziemathislab.org/deeplabcut

    Paper: Mathis A, Mamidanna P, Cury KM, et al. DeepLabCut: markerless pose estimation of user-defined body parts with deep learning. Nat Neurosci. 2018;21(9):1281-1289. DOI:10.1038/s41593-018-0209-y

     

    SLEAP

    URL: https://sleap.ai

    Paper: Pereira TD, Tabris N, Matsliah A, et al. SLEAP: A deep learning system for multi-animal pose tracking. Nat Methods. 2022;19(4):486-495.
    DOI:10.1038/s41592-022-01426-1

    UMATracker

    URL: https://ymnk13.github.io/UMATracker/

    Paper: Yamanaka O, Takeuchi R. UMATracker: An intuitive image-based tracking platform. J Exp Biol. 2018;221(16):1-5.
    DOI:10.1242/jeb.182469

    Ctrax

    URL: https://ctrax.sourceforge.net

    Paper: https://www.nature.com/articles/nmeth.1328

    FlyTracker

    URL:

    Paper:

    ID Tracker

    URL:

    Paper:

    TRex

    URL:

    Paper: https://elifesciences.org/articles/64000

    JAABA

    URL:

    Paper:

    その他

    Brain and VNC template (JRC 2018 Brain templates)

    URL: https://www.janelia.org/open-science/jrc-2018-brain-templates

    Color-Depth MIP

    URL: https://www.janelia.org/open-science/color-depth-mip

    解剖と抗体染色のプロトコル

    URL: https://www.janelia.org/project-team/flylight/protocols

    ショウジョウバエの成虫や幼虫の解剖方法の動画、抗体染色のプロトコルが手に入ります。

  • 学振・特別研究員(DC1, DC2)申請書をもっとより良くするために [2024年度DC採択者経験談]

    2023年9月27日水曜日 14:00に学振 DC1, DC2の採択者の発表がなされました。

    僕も申請した学生の一人であり、無事採用内定を取得することができました。
    今年度の学振の採択率は例年よりも低いことがX (旧Twitter)で流れていました。

    採用内定は14%ほど、二次採用も含めると17%とのことでした。

    例年20%近くあると聞いていたので、採択率を見たときに「マジか・・・」と思いました。

    今回の学振ですが、いろいろな人の学振の申請書を見たり、自身の申請書を書いたりし、その中で申請書で少しでも採択率を上げるために気をつけるべきことをまとめてみます。

    学振のみならず、申請書、ES、など人に見せる文章を書くときにも参考にできると思うので、ぜひ読んでいってほしいです。

    気をつけるべき点は申請書のその先

    まず、申請書を書くうえで重要なことは、自分の言いたいことを限られたスペースで伝えることです。

    申請書とは、自身の研究を説明し、人に重要さを主張すること、私はどのような人で、どのようなことができるため、この目標を達成することができる。だからお金をください。

    と言うように、書いたその先に何があるのかを見越す必要があります。

    申請書を書いていると、いい文章を書くこと、先生に文句の言われない文章を書くこと、など目先のことにとらわれ、”申請書”と言うものの本質が頭から抜けてしまうことがあります。

    ただの自己満足ではなく、読み・評価する人がいて、それを元に採点されると言うことです。
    そこは明確にテストなどと異なり、だからこそ正解というものがありません。

    これまで、解答のあるテストなどを行ってきて、急に申請書にぶち当たると、一体何を書けばいいのか、何が正解なのかがわからなくなる人が多い印象でした。

    書いている最中も、申請書は誰のために書いているのかということを忘れずに、書く必要があります。
    そのために、学振前に幾つか別の機関の申請書を書いて、人に見てもらうということをしてもらっていると、それだけでかなり申請書の読みやすさが異なってきます。

    キーワードは”論理性”と”具体性”

    論理性

    僕が学振を書くときに最も気をつけたことは、論理性と具体性です。

    論理性とは、主張が一貫し、それぞれの話題がつながっていることです。
    つながりは、文同士、パラグラフ同士、申請書全体などさまざまなスケールで考える必要があります。

    もっと実感に基づいた言い方をすると、
    論理性のある文章とは、読み手が知りたい順に知りたい内容が記載されている文章です。
    これがしっかりできていると、読み手が読んでいるときにスッと内容が入ってきます。

    あくまで聞きて主観で考えるということ。
    自分がいかにこれは論理が通っていると言っても、相手にはその論理が通じないかもしれない。

    学振の書き方やテクニックなどで、「すなわち」「以下に詳細を述べる」などの文言を入れた方がいいということが書かれていますが、その本質は相手に文章のつながりを容易に理解してもらうためのガイドを示すということです。

    こう言った文言が必要か否かに関しては、人によって意見が大きく異なるところですが、言えることとしては、入れずに文章構造がわからなくなるのであれば、貴重な文字数を使ってでも入れるべきであるということです。

    具体性

    具体性とは、言葉通り、読み手が必要な分だけの情報が記載されているということです。

    よく申請書や研究発表で
    「私の研究は前提となる情報が多いから短くまとまらない〜」
    という言葉をよく聞いたことがあると思います。

    僕自信、10分の学会発表とかで、10分で終わるわけないやんとよく思ったものです。

    しかし、自信を持って内容を詰めた発表でも、聞き手にとってはいらない情報がたくさんあり、知りたい情報はほとんどなかったということがよくあります。

    つまり、内容の取捨選択ができていないのです。

    内容の取捨選択をする上で、自分自身が最も伝えたいことは何かを決めます。
    そして、その本質の説明に必要なものは残すこと、本質の理解にいらないものは捨てることで具体性を持たせることができます。

    学振などの申請書は本当に短い文章量で研究や自身のことを語る必要があります。
    よく学振でもらえるお金を申請書の文字数で割った金額を算出して、一文の価値を計算してみろ と言われます。

    この文章にはそれだけのお金の価値があるのか!ないなら変更するべきである。
    という観点を持ってほしいという意図でこの言葉を言っているのだと思います。

    研究の背景説明は第三者目線からの説明であり、自分の説明を際立たせるために必要ではあるが、その文自身は人の研究であるため価値は低いと言えます。
    最小限に収めるのか、別の価値を見出すのか、考え方はそれぞれだと思います。

    そうやって推敲し、内容が洗練させていきます。

    ここまで、具体性と書きながら、内容を削る話しかしてませんが、要は内容を詰め、一文の具体性を過不足なく高めていくということが重要になってきます。

    申請書はこの論理性と具体性を常に頭に入れつつ、時々立ち止まって読み直して、書き直すという作業をずっとやっていました。

    早めに人に見せること

    そして、申請書で最も重要な点の一つに、申請書を早めに人に見てもらうことというのがあります。

    一旦完成してから、自身が納得してから、と言って申請書締切1週間前になって見せてくる人がいますが、正直それは勿体無いです。

    人に見せるということは、自分自身が進んでいる方向性が正しいかどうかを確認すると同時に、意見をもらうということです。
    修正ではありません。

    学振をどれだけ人に見てもらったかで学振の出来が変わるとよく言われるように、新たな気づきや根本的な考え方などが変わったりします。

    理想は3週間前には担当教員以外の他の人に見てもらうのを目標にしましょう。

    申請書に向き合い続けない

    申請書を書く期間になると、実験も惜しんで申請書に向き合っている人をよく見ました。
    確かに、ある程度時間をかけなければならないものですし、何回も推敲を重ねるため、膨大な時間が必要になります。

    ただ、ある程度描き終わってからもただひたすらに申請書を読み返して、無意味に時間を過ごす必要はありません。
    むしろ、推敲前にはある程度時間を空けてから読む必要があります。

    申請書は人生がかかっている重要な書類です。
    しかし、かけた時間に比例してよくなるものではなく、いかに効率よく最善のものを作るのかという勝負です。

    パソコンに貼り付けにならず、ある程度実験を進めたり、なんなら気分転換をしながらかくと、冷静な視点で書くことができます。

    僕は大学だけではなく、パソコンをカフェとかに持って行って場所をよく変えながら書いていました。

    最後に

    本年度の内定採択率は一次選考地点で14%ほどと言われています。
    逆にいうと、申請した86%の人が学振に採択されなかったということです。

    採択されない人が大多数なので、そもそも採択されなかったことに必要以上に落ち込む必要はありません。

    また、学振に採択された人は、多くの人の夢や生活を押し除けて自分自身が採択されたということになります。
    それ相応の研究に対する評価はもちろん現状ではあるが、それ以上にこれから人一倍頑張るという責任が伴います。

    僕自身も戒めとして、今後も研究を頑張っていきたいです。