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  • 学振・特別研究員(DC1, DC2)申請書をもっとより良くするために [2024年度DC採択者経験談]

    2023年9月27日水曜日 14:00に学振 DC1, DC2の採択者の発表がなされました。

    僕も申請した学生の一人であり、無事採用内定を取得することができました。
    今年度の学振の採択率は例年よりも低いことがX (旧Twitter)で流れていました。

    採用内定は14%ほど、二次採用も含めると17%とのことでした。

    例年20%近くあると聞いていたので、採択率を見たときに「マジか・・・」と思いました。

    今回の学振ですが、いろいろな人の学振の申請書を見たり、自身の申請書を書いたりし、その中で申請書で少しでも採択率を上げるために気をつけるべきことをまとめてみます。

    学振のみならず、申請書、ES、など人に見せる文章を書くときにも参考にできると思うので、ぜひ読んでいってほしいです。

    気をつけるべき点は申請書のその先

    まず、申請書を書くうえで重要なことは、自分の言いたいことを限られたスペースで伝えることです。

    申請書とは、自身の研究を説明し、人に重要さを主張すること、私はどのような人で、どのようなことができるため、この目標を達成することができる。だからお金をください。

    と言うように、書いたその先に何があるのかを見越す必要があります。

    申請書を書いていると、いい文章を書くこと、先生に文句の言われない文章を書くこと、など目先のことにとらわれ、”申請書”と言うものの本質が頭から抜けてしまうことがあります。

    ただの自己満足ではなく、読み・評価する人がいて、それを元に採点されると言うことです。
    そこは明確にテストなどと異なり、だからこそ正解というものがありません。

    これまで、解答のあるテストなどを行ってきて、急に申請書にぶち当たると、一体何を書けばいいのか、何が正解なのかがわからなくなる人が多い印象でした。

    書いている最中も、申請書は誰のために書いているのかということを忘れずに、書く必要があります。
    そのために、学振前に幾つか別の機関の申請書を書いて、人に見てもらうということをしてもらっていると、それだけでかなり申請書の読みやすさが異なってきます。

    キーワードは”論理性”と”具体性”

    論理性

    僕が学振を書くときに最も気をつけたことは、論理性と具体性です。

    論理性とは、主張が一貫し、それぞれの話題がつながっていることです。
    つながりは、文同士、パラグラフ同士、申請書全体などさまざまなスケールで考える必要があります。

    もっと実感に基づいた言い方をすると、
    論理性のある文章とは、読み手が知りたい順に知りたい内容が記載されている文章です。
    これがしっかりできていると、読み手が読んでいるときにスッと内容が入ってきます。

    あくまで聞きて主観で考えるということ。
    自分がいかにこれは論理が通っていると言っても、相手にはその論理が通じないかもしれない。

    学振の書き方やテクニックなどで、「すなわち」「以下に詳細を述べる」などの文言を入れた方がいいということが書かれていますが、その本質は相手に文章のつながりを容易に理解してもらうためのガイドを示すということです。

    こう言った文言が必要か否かに関しては、人によって意見が大きく異なるところですが、言えることとしては、入れずに文章構造がわからなくなるのであれば、貴重な文字数を使ってでも入れるべきであるということです。

    具体性

    具体性とは、言葉通り、読み手が必要な分だけの情報が記載されているということです。

    よく申請書や研究発表で
    「私の研究は前提となる情報が多いから短くまとまらない〜」
    という言葉をよく聞いたことがあると思います。

    僕自信、10分の学会発表とかで、10分で終わるわけないやんとよく思ったものです。

    しかし、自信を持って内容を詰めた発表でも、聞き手にとってはいらない情報がたくさんあり、知りたい情報はほとんどなかったということがよくあります。

    つまり、内容の取捨選択ができていないのです。

    内容の取捨選択をする上で、自分自身が最も伝えたいことは何かを決めます。
    そして、その本質の説明に必要なものは残すこと、本質の理解にいらないものは捨てることで具体性を持たせることができます。

    学振などの申請書は本当に短い文章量で研究や自身のことを語る必要があります。
    よく学振でもらえるお金を申請書の文字数で割った金額を算出して、一文の価値を計算してみろ と言われます。

    この文章にはそれだけのお金の価値があるのか!ないなら変更するべきである。
    という観点を持ってほしいという意図でこの言葉を言っているのだと思います。

    研究の背景説明は第三者目線からの説明であり、自分の説明を際立たせるために必要ではあるが、その文自身は人の研究であるため価値は低いと言えます。
    最小限に収めるのか、別の価値を見出すのか、考え方はそれぞれだと思います。

    そうやって推敲し、内容が洗練させていきます。

    ここまで、具体性と書きながら、内容を削る話しかしてませんが、要は内容を詰め、一文の具体性を過不足なく高めていくということが重要になってきます。

    申請書はこの論理性と具体性を常に頭に入れつつ、時々立ち止まって読み直して、書き直すという作業をずっとやっていました。

    早めに人に見せること

    そして、申請書で最も重要な点の一つに、申請書を早めに人に見てもらうことというのがあります。

    一旦完成してから、自身が納得してから、と言って申請書締切1週間前になって見せてくる人がいますが、正直それは勿体無いです。

    人に見せるということは、自分自身が進んでいる方向性が正しいかどうかを確認すると同時に、意見をもらうということです。
    修正ではありません。

    学振をどれだけ人に見てもらったかで学振の出来が変わるとよく言われるように、新たな気づきや根本的な考え方などが変わったりします。

    理想は3週間前には担当教員以外の他の人に見てもらうのを目標にしましょう。

    申請書に向き合い続けない

    申請書を書く期間になると、実験も惜しんで申請書に向き合っている人をよく見ました。
    確かに、ある程度時間をかけなければならないものですし、何回も推敲を重ねるため、膨大な時間が必要になります。

    ただ、ある程度描き終わってからもただひたすらに申請書を読み返して、無意味に時間を過ごす必要はありません。
    むしろ、推敲前にはある程度時間を空けてから読む必要があります。

    申請書は人生がかかっている重要な書類です。
    しかし、かけた時間に比例してよくなるものではなく、いかに効率よく最善のものを作るのかという勝負です。

    パソコンに貼り付けにならず、ある程度実験を進めたり、なんなら気分転換をしながらかくと、冷静な視点で書くことができます。

    僕は大学だけではなく、パソコンをカフェとかに持って行って場所をよく変えながら書いていました。

    最後に

    本年度の内定採択率は一次選考地点で14%ほどと言われています。
    逆にいうと、申請した86%の人が学振に採択されなかったということです。

    採択されない人が大多数なので、そもそも採択されなかったことに必要以上に落ち込む必要はありません。

    また、学振に採択された人は、多くの人の夢や生活を押し除けて自分自身が採択されたということになります。
    それ相応の研究に対する評価はもちろん現状ではあるが、それ以上にこれから人一倍頑張るという責任が伴います。

    僕自身も戒めとして、今後も研究を頑張っていきたいです。

  • JST申請書[学内申請書]の書き方 [備忘録]

    JST申請書[学内申請書]の書き方 [備忘録]

    はじめに

    研究者につきまとうタスク、その一つに申請書というものがあります。
    研究者を目指すにあたり、避けては通れず、かつ見逃されがちな要素である申請書。

    申請書に苦しむ人は多いのではないでしょうか。
    僕もその一人であり、国語が苦手で理学部に入ったのにまさかの目指す先でまさかの国語の問題が立ちはだかってくるとは。。。。

    近年、博士課程の学生の支援は充実しており、学振(DC)以外にもJSTの事業による学内の助成金、卓越大学院プログラム、JASSOなど元々あったものも強化され、新しいものも追加されつつあります。
    そして、これらの支援を受けることができれば、博士課程の生活費はほとんど賄い、かつ授業料の援助も受けることができます。

    私自身、学内の申請書にいくつか直面し、申請しています。

    学振との違い

    基本的には学内の申請書は学振と似ていることが多いです。
    その理由としてはやはり、学振に通ることが最終ゴールであるからです。
    また、違うフォーマットでかくとそれだけ学生の負担になるので、学振のフォーマットに合わせ、ブラッシュアップしていける仕組みにしていることが多いです。

    選考基準は主に研究内容と、本人の素養と将来性にあります。
    これらをきちんとアピールし、人に伝わることが重要になってきます。
    決して、綺麗で文化的な文章を書く必要はありません。

    学振と学内申請書で似ている点が多いですが、異なる点もあります。
    それは、学内申請書で募集している人材と学振で募集している人材が少し異なることです。

    これは、申請書にどのような人材を募集しているかが書いてあるので、それに合うように記載する必要があります。

    また、学振と違う点の最も大きな点は、読む人の違いです。
    学振では申請分野があり、ある程度専門性のある人が読みます。
    しかし、学内申請書では、基本的には学内の人が読むため、生物系でも動物の研究内容を植物の人が読むことがあります。
    さらに、学振よりも学内申請書の方が一人の審査員に回ってくる申請書が多いということもあります。

    つまり、より一般的な内容にし、専門分野が異なっていても魅力が伝わるようにすること。
    そして、ぱっと見で内容と魅力が伝わるようにすることです。

    基本的に審査員の人は申請書を読む気がないものだと思い、審査員に興味を持たせ、”読ませる”申請書にする必要があります。
    図やハイライトを適切に使い、ぱっと見で重要な部分が何なのかを伝わるような文章にしましょう。

    書き方のコツ

    申請書のコツは論理性と具体性です。

    論理性とは、読み手が欲しい情報が欲しいタイミングと順番でくることです。
    つまり、文章と文章がつながり、読み手がなんとなく予想してくる内容を記載することで論理性をもたすことができます。

    例として、
    “私は大学時代に複数の学生団体に所属し、それぞれの団体で運営を行ってきました。そこで私は、リーダーシップと人と円滑に物事を進める力を養いました。”

    団体運営→リーダーシップと円滑に物事を進める力

    といったように、文章同士が違和感なく、ギャップなく繋がることが論理性があると言えます。

    次に具体性ですが、先ほどの例に具体性を追加すると、
    “私は大学時代にイベント企画や学生同士の交流会を企画する学生団体に複数所属し、それぞれの団体で自らが中心となってイベントの運営を行ってきました。そこで私は、リーダーシップと人と円滑に物事を進める力を養いました。”

    具体性を加えることによって、自分がその団体の何をどのようにして関与したか、そしてそれによってどのような能力を得たのかの論理性が増します。

    しかし、この二つを求める上で重要な問題は、申請書の文字数制限です。
    文字数制限はかなり厳しく設定されており、具体的に紹介しようとすると文字数が足りなくなります。

    だからこそ、内容を入れ込みたいがゆえにこの二つの要素を蔑ろにしがちです。

    簡潔にわかりやすく、内容をまとめる。
    というのと、論理性と具体性の矛盾が申請書を書く際の重要な問題となってきます。

    このバランスを考える上で重要なのは、その申請書でどのような人を採用したいのかです。
    大体の申請書にはどの項目を書いて欲しいのか、どのような内容を書いて欲しいのかが書いてあります。

    その項目が自分の書いた文章でどこに当たるのか、明確にわかる必要があります。
    読み取って、汲み取ってではなく、わからせるぐらいのはっきり差が必要です。

    これを重点に置けば、どの文章が必要で、どの文章がいらないのかが明確になってきます。

    書き方の方針

    申請書を書く際にはまず、書きたい内容を箇条書きにした後、文章を分量をとりあえず考えず書きます。
    そして、論理性と具体性を意識し、内容を補充していきます。

    大体この段階で内容が大幅にオーバーするため、文章量を削っていく作業を行います。
    文章の言い換えや、言い回しを変えたりし、文字数ちょっとオーバーまで削りましょう。

    一旦その段階で誰かに申請書を見ていただきましょう。
    この段階が非常に重要です。
    早め早めに人に申請書を見てもらうという工程を踏むことによって、方針の大きなずれを防ぎ、自分なりの申請書の書き方を学ぶことができます。

    人に見せるのはハードルが高く、プライドが邪魔してくることが多いですが、ここは思い切ってプライドを捨て見せましょう。
    大体成績優秀な人ほど、申請書を一人で考えて人にみせるのが遅れる傾向があります。

    他の人からフィードバックをもらったら、それを元に改めて自分で読んでみて、何が改善すべき点だったのかを再認識し、書き直しましょう。

    人に見てもらうという段階が最も重要な段階です。
    誰しも最初から申請書が完璧に書ける人はいなく、またダメ出しは自己否定ではなく、その人のもっとやれるというアドバイスだと受け取りましょう。

    まとめ

    申請書は人に読んでもらうためのものです。
    決して審査員が読んでくれるだろう、読んでくれないなんておかしいという慢心は抱いてはいけません。

    人に読んでもらえないのであれば、読ませる文章を書きましょう。
    どれだけいい内容が書いてあっても、それが人に読んでもらい、伝わらなければ意味がありません。

    よく、申請書でもらえる金額をトータルし、それを行換算してみて、その一行にどれだけの価値があるのかを計算してみましょうとあります。

    これは、自分の書いた文章がそれだけの価値を持って人に伝えたいかどうかを判断する明確な基準になります。
    価値がそれだけないと思うのであれば、その文章は書き換える必要があるかもしれません。

    参考書